MT4のポジション一覧画面を見たときに、残高とクレジット以外は難しくてわからないと思っていませんか?
証拠金って何?維持率が何%だと危ないの?と思う気持ちわかります。
この記事は、MT4初心者へ向けて証拠金や証拠金維持率についての解説記事です。
資金管理の方法もご説明します。
FX歴2年の梨乃(りの)が図を交えて、わかりやすく説明しますね。
尚、今回記載の計算式などはFX会社で異なる場合があります。あくまで参考とし、かならず、ご利用のFX会社の公式情報を御確認ください。
証拠金とはポジション購入に必要なお金

今持っているポジション購入に必要なお金のことです。
FXはレバレッジにより、必要な金額が変わります。
たとえば、レバレッジ1,000倍の口座で、0.05ロット購入しました。

すると、このFX会社では
取引通貨量が0.01ロットあたり100,000通貨でしたので、0.05ロット × 100,000通貨 = 5,000通貨購入しました。
5,000通貨をレバレッジ1,000倍で割ると、5通貨です。
つまり5,000通貨購入にあたり、5通貨購入した分のお金を払えば売買が可能 という意味です。
なので、126.485円で5通貨購入すると、126.485円×5通貨 = 632円支払う必要があります。
つまり、0.05ロットを126.485円で購入すると632円支払うことになります。
この632円が証拠金の表示です。
レバレッジはFX会社や口座で異なる

レバレッジはFX会社や契約口座により違います。
自分で選択できるときもありました。
たとえば、Exnessでは口座作成時に、複数のレバレッジの中から自分で選択して決められます。

もちろん条件はあります。
「口座残高○万円以下でないとXXXX倍は選択できない」といった具合です。
また、アメリカ大統領選挙の週は、FX会社が身を守るためにレバレッジを強制的に変更していました。
自分のFX会社のレバレッジは必ず把握しましょう。
有効証拠金とは今あるお金をまとめたもの

残高とクレジットと含み損益を足した物です。
今あるお金をすべてまとめたものです。
有効と言っても、期限があるとかないとか、そういう類いの意味ではなく、「使える」お金の意味です。
次の画像をご覧ください。残高「240,149」+クレジット「30,000」+損益「-77,842」を足した物「192,307」となります。

損益が計算に含まれるため、新しくポジションを買い足さないでも、状況が悪くなれば減っていきますし、状況が良くなれば増えていきます。
余剰証拠金とは自由に使えるお金

有効証拠金から証拠金を引いた物が余剰証拠金です。
つまり、今使えるお金から、必ず使うお金を引いた残りです。
証拠金は、ポジション購入時に担保として預けているだけのお金なので残高には影響がありません。
そのため、余剰証拠金によって、実際に使えるお金の量を表示しているのです。
次の画像では、有効証拠金の「192,307円」から、証拠金の「23,574円」引いたお金である「168,733円」が余剰証拠金として表示されています。

つまり、この画像の状態では、実際に使える残りのお金が「168,733円」なのです。
証拠金維持率とはロスカットの判定に使われる値

証拠金維持率とはロスカットの判定に使われる値です。
有効証拠金を証拠金で割った値に100をかけた物。
次の画像では、有効証拠金の「192,307円」を証拠金の「23,574円」で割った「8.1574」に100倍した値「815.74」になっています。

この%がFX会社の指定する特定の値を下回った場合に、ロスカットが実行されます。
たとえば、XMでは証拠金維持率が20%以下でロスカットです。
ちなみに、0%になるのは、有効証拠金が「残高+クレジット」と、マイナスで同じ値になったとき。
今回の場合は、「240,149円」+「30,000円」で併せて「270,149円」、損益が「-270,149円」の時です。
2つの資金管理方法

これら、証拠金や維持率を具体的にどのようにFX運用に取り入れていけばよいか、具体例でお伝えします。
最大ロット数の確認
いくらまでのロットなら買えるか確認する方法です。
一度に買える通貨数を把握しておかなければ、自分が買おうとしているロット数が危ないのか、余裕があるのかわかりません。
次の計算式を用いて、維持率が100%になる、最大ロット数を計算しましょう。
資金(残高+クレジット) × レバレッジ ÷ レート ÷ 1ロットの通貨量
たとえば、この画像はレバレッジ400倍の口座です。

資金は残高+クレジットで「240,149円」+「30,000円」=「270,149円」
レバレッジは400倍
レートはこの時「126.405円」
1ロットの通貨量は「100,000通貨」と仮定します。
これで計算をすると
270,149円(残高+クレジット) × 400倍 ÷ 126.405円 ÷ 100,000通貨
「8.54」です。
つまり、合計で「8.54ロット」購入すると維持率が100%になります。
これを目安として、現在もっているロット数を8.54から引けば、まだどれくらいロットを追加して大丈夫かのものさしにできます。
ロスカットタイミングを確認
レートがいくらに到達したらロスカットなのか考えます
一つ目の資金管理は、残り何ロット買っても余裕があるかを考えました。
こちらでは、今の状態からレートがいくらに変化したらロスカットにあうかを計算します。
事前に知っておくことで、対策を打てます。
これに関しては、単純に計算式で行うのは大変なので、表計算ソフトに記入していくとよいでしょう。
1ポジションだけであれば、考えやすいですが、複数のポジションを別々のレートで購入している場合、計算が大変になるためです。
たとえば、次の状態を見てください。わかりやすくポジションが1つだけの例です。

126.485円で購入した0.05ロットですが、資金の482,414円迄マイナスになるのはいくらの時かを考えます。
先ほどまでに説明した証拠金の計算を用いて、実際に購入時に必要な金額を算出し、
それを別の価格になったときの必要金額と比べます。
表計算ソフトなので、計算式を入れておけば、レートの値を少しずつ上げていくことによって、他の値も変わるため理解しやすいです。
例えば、私の場合は次のような表を作成しました。
「現在価格」を変更すると、「現在価格金額」が変化し、「差額」として損益がいくらになるか計算式を入れているため自動計算してくれます。

現在価格の値を変えていった結果、
ショートの0.05ロットは価格が222.968円まで到達した際に、資金の482,414円を上回る事がわかりました。
つまり、そんなに値段が上昇することは考えられないため、ゼロカットにあう可能性はほとんどないと言えますね。
「まだまだポジション増やしても大丈夫だな」と思えるわけです。
このように、事前にシミュレーションすることが資金管理の一つと言えるでしょう。
まとめ

いかがでしたか?
MT4画面上部に表示されている
- 有効証拠金とはすべてを足した金額
- 証拠金とはポジション購入に必要な金額
- 余剰証拠金とは有効金額から証拠金を引いた物
- 証拠金維持率とは有効証拠金を証拠金で割った値
- 資金管理として
- 後何ロット使えるか、
- 後レートがいくらまで耐えられるか
について説明しました。
今危ないのか、危なくないのか自分で把握するためには証拠金の理解が必要です。
しっかり理解しましょうね。
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